世の男子諸君ならお判りいただけるだろうか。
今日は自意識ライジングday。そう、バレンタインdayだ。
皆さんはどう無事に過ごせていますか?
朝、靴箱をやや高鳴る胸をやり過ごしながら開ける。…ふぅ。1日が始まる。
そのまま教室へ。着席。気づかれないようにそっと机に手をいれて確認。…ない。
休み時間、わざと席から、いやむしろ教室からでる。戻ってきて机をさりげなく確認。…ない。
昼休みを終え、机およびカバンをさりげなく確認。…ない。
下校の時間になってもいつもよりすぐには帰路につかない。…まだか。
ゆっくりめに歩いて帰る。 後ろから走ってくる女子!! そのまま追い抜かれた…。
そんな日々を過ごしてきた男子諸君は、大人になっても多少なりとも「自意識ライジングday」が残っているはずだ。個人差はあるだろうが…。女子はそりゃ後だしだからさ、そんなことないじゃない。
そんな話を従業員さんにしたら、
ちょっとマジで何言っているのかわかんない…汗
という顔をされたのはもう2,3年前の話。
普段ならなんにも思わないことも、1年で今日だけは自意識が邪魔をする…。そんな辛い1日だ…。
以下、回想。
ピンポーン
ぅん?? あ、近所の山崎さん。こんにちは。
縄跳びしない?
いいよ
橋のたもとでふたりで縄跳び。
夕焼けに聞かれるまえに
はい、これ。
え?
バレンタインでしょ、今日。
背中に小さな手をまわし、そっと着飾った小さな箱をさしだす山崎さん。
あ、ありがとう…。
僕は照れていたんだ。うまく言えたかな。
嫌そうに思われなかったかな。
じゃ、じゃあね。
うん。
…山崎さんはそのあと転校していった。
元気でいるかな。